戦前日本純文学男性小説家
志賀直哉、夏目漱石など45人の作家の情報を探すことが出来ます。
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芥川龍之介
短編小説で多くの傑作を残した日本の作家。 古典から題材をとったものや児童向けの作品など様々な作品があり、 王朝物、切支丹物、現代物、歴史物など多彩な題材を扱う。 小説の技術的洗練と形式的完成が追求されており、その評価は高い。 初期の小説で高校の教科書でも採用されている作品『羅生門』や 夏目漱石から絶賛された『鼻』、雑誌『赤い鳥』に発表した児童文学作品『蜘蛛の糸』『杜子春』などが代表作。 27年には、服毒自殺をおこない社会に衝撃を与えた。 その死後、菊池寛によって設けられた芥川賞は、現在も日本で最も有名な文学賞のひとつとなっている。
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有島武郎
大正時代に活躍した日本の作家。 志賀直哉、武者小路実篤らと共に雑誌『白樺』で活躍した人物。 個性主義・自由主義を基調とした人道主義的な作風が基本。 小説や評論、童話など様々な方面で活躍した。 近代的自我に目覚めた女性の破滅を描いた名作『或る女』や、 独自の生命哲学を展開した評論『惜みなく愛は奪ふ』、 無知故に罪を犯す主人公の生き様を描いた作品『カインの末裔』などが代表作。 23年、愛人の波多野秋子と軽井沢で心中。享年45歳。
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石川啄木
明治時代に活躍した日本を代表する作家。歌人、詩人、評論家として幅広い活躍をした人物。 とりわけ歌人としての活躍は顕著で、短命で終わったがその短い生涯の間に多くの短歌を生み出した。 意味よりもリズムを重視し、口語体で現実世界での苦悩を吐き出す作風は、 大衆の心をつかみ、短歌の近代化の指標になったとも言われる。 流離と貧困の生活に根ざした、深い哀傷と諧謔をうたった『一握の砂』は名作中の名作。 他にも彼の短い生涯の晩年の歌を集めた『悲しき玩具』、自然主義批判を行った評論『時代閉塞の現状』などの著作がある。
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石坂洋次郎
戦前から活躍する日本の作家。 青春ものといわれる作品を軽やかな作風で多数著した。 とりわけ戦後の活躍は顕著で、数多くの作品が映画化・ドラマ化される流行作家となった。 健全な作家として評価されており、第14回菊池寛賞も受けている。 三田文学賞を受賞した『若い人』、 男女交際を主題とした長編小説で映画化され大ブームとなった作品『青い山脈』、 石原裕次郎主演で映画化もされた『陽のあたる坂道』などが代表作。
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伊藤左千夫
正岡子規に師事していた日本の作家。 子規没後、短歌雑誌『馬酔木』『アララギ』の中心人物として、斎藤茂吉、土屋文明など多くの後進を育成した人物。 歌人、小説家として活躍しており、写実的、生活密着的歌風の作品を数多く発表した。 幼なじみの少年少女の恋愛を描いた『野菊の墓』は、彼の代表作であり、当時、夏目漱石から絶賛された作品。 その後の作品に『隣の嫁』『春の潮』『分家』『左千夫歌集』などもある。
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伊藤整
日本文学の重要な文芸評論家。 『ユリシーズ』のジョイスの影響を受けて「新心理主義」を提言した人物。 私小説的文学の理論化を目指し、独創的な現代日本文学史論を展開した。 また、翻訳業も行っており、チャタレー事件で有名な『チャタレイ夫人の恋人』の翻訳を行った人物としても知られている。 ベストセラーとなったエッセイ集『女性に関する十二章』や自伝的小説の『鳴海仙吉』『若い詩人の肖像』、評論集『小説の方法』、性の問題を追及した小説『変容』などが代表作。
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井上光晴
大岡昇平らと共に戦後文学の旗手とよばれる作家。小説家・井上荒野の父。さまざまな社会的問題を主題として、それを多次元的、前衛的な手法で描いた。また「文学伝習所」を開講し、後進の育成なども行っていた。ドキュメンタリー映画『全身小説家』の題材にもなった人物で、数多くの作品を残している。熊井啓監督により映画化もされている『地の群れ』や、被爆者や被差別部落の問題をテーマとした『虚構のクレーン』、太平洋戦争中の学徒兵を描いた『死者の時』、朝鮮戦争をテーマにした『他国の死』、原爆投下直前の市民生活を描いた『明日』などが代表作。
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井伏鱒二
多くの文学賞を受賞し、高い評価を得ている日本の作家。翻訳、対談等の仕事も行った。 95歳まで息の長い活躍をしていた。ユーモアと哀愁を含んだ作風で、また文章の巧さにも定評がある。 川の中の小さな動物の世界を、その周囲の透明感や水底のゆらぎまでも写しとって描いた『山椒魚』、 少年漁師の数奇な運命を描いた直木賞受賞作品『ジョン萬次郎漂流記』、原爆をテーマに扱った名作『黒い雨』などが代表作。
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内田百間
昭和随筆ブームの代表的人物。 迫り来る得体の知れない恐怖感を表現した小説や、独特のユーモアに富んだ随筆を得意とした。 他にも童話や句集、日記など様々なジャンルで活躍した。俳諧的な風刺とユーモアの中に、人生の深遠をのぞかせる独特の作風が基本。 彼の作品を原作として映画や漫画、絵本なども作られている。 生の不安と無気味な幻想におおわれた夢幻の世界を稀有の名文で紡ぎだした短編集『冥途』『旅順入城式』や、 ベストセラーとなった随筆集で独自の文学的世界を確立するきっかけとなった作品『百鬼園随筆』などが代表作。
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大岡昇平
文壇においてうるさ型の論客として活躍し、井上靖、松本清長、海音寺潮五郎らと論戦を繰り広げた人物。 「大岡昇平ほど論理的な文体をもって小説を書いた作家は、日本にはいない」と評されるほどの理知的な作風で知られ、歴史小説、心理小説、評論などを扱った。 自らの戦場での経験を書いた横光利一賞受賞作品『俘虜記』以後、作家として本格的な活動を開始し、以後数々の名作を生み出した。 戦後を代表するベストセラーとなった姦通小説『武蔵野夫人』、死の直前における人間の極地を描いた『野火』、 葉子というホステスに生きる銀座の女の物語『花影』、太平洋戦争中のレイテ島での死闘を扱った『レイテ戦記』などが代表作。
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尾崎紅葉
硯友社の設立者のひとりで「我楽多文庫」の発刊に尽力した日本の作家。 泉鏡花、徳田秋声など多数の門弟の育成・指導につとめた人物としても知られる。 ヨーロッパ文学に範をとった近代小説を多く著し、幸田露伴と共に明治期の文壇の重きをなした。 会話を口語体にしながら、地の文は流麗な文語文という新しい形を取りいれた作品『二人比丘尼 色懺悔』や、 読売新聞に発表された『伽羅枕』『三人妻』、 未完に終わってしまっているが度々映画化、ドラマ化がされている名作『金色夜叉』などが代表作。
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尾崎一雄
戦後期を代表する私小説の作家。 身辺のことを分かりやすくユーモアで書く作風で、生まれ育った下曽我を舞台とする短編の作品が多い。 独特のリズムと爽やかな読後感が読者から人気となっている。 疑うことを知らぬ天真爛漫な若い新妻との貧乏暮しを描いた芥川賞受賞作品『暢気眼鏡(のんきめがね)』、 生と死についての深い考察をユーモラスな筆致も交えて描いた『虫のいろいろ』、 野間文芸賞受賞作品『まぼろしの記』などが代表作。
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尾崎士郎
戦時下の花形作家として活躍した人物。伝統的な日本人的心情を反映した作品が大衆の心を掴んだ。 人生と文学にロマンを求めていた作風を、三島由紀夫は「硬派の文学」と称したと言われている。 吉良を故郷とする主人公の運命のさすらいを描いた自伝的要素の濃い大作『人生劇場』、 従軍作家として新聞に連載した歴史小説『石田三成』や『高杉晋作』などが代表作。 その戦時中の華やかな活動ゆえに、戦争責任も追求された。 その後も文壇に復帰し活躍しており、文芸春秋読者賞受賞作品『天皇機関説』など多くの作品を生み出している。
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織田作之助
「おださく」の愛称で親しまれた日本の作家。 進取の気性、情趣に富んだ作風で知られる短編の名手。 混乱した当時の世相を活写した作品が多く、無頼派の代表的人物として知られる。 自伝的小説『雨』、芥川賞候補となった『俗臭』、発禁処分となった問題作『青春の逆説』、 当時の世俗を活写した短編『世相』などが代表作。
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梶井基次郎
昭和初期を代表する日本の作家。簡潔な描写と詩情豊かな作風。 心境小説に近い私小説的なものが多く、自らの病気を題材にしている作品も多い。 その短い生涯の間に、高い詩的完成度を持った作品を数多く発表した。 小林秀雄らに高く評価された短編の処女作『檸檬』や、 全編に渡り主人公のモノローグという手法で描かれた『桜の樹の下には』などが代表作。 他にも『城のある町にて』『交尾』などの著作がある。
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川端康成
日本人初のノーベル文学賞受賞者。 大正後期から昭和初期にかけての大きな文学潮流となった新感覚派の代表的人物。 72年にガス自殺をしたことでも知られる。 日本の伝統的な叙情性を中心に描いた作品を基本として、多くの名作を残した。 孤独に悩む青年の淡い恋と旅情を描いた『伊豆の踊子』や、 文芸評論家の福田和也から20世紀10大小説の一作とまで評価されている『雪国』、 生き別れになった双子の姉妹の数奇な運命を描いた『古都』などが代表作。 どれも何度も映像化・舞台化されている名作中の名作。
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菊池寛
「文藝春秋」を立ち上げ、芥川賞、直木賞を創設した人物。 編集出版や社会的活動において目覚ましい成果を残し、文学の普及と発展に大きな功績をしたことで知られている。 また自身も作家として活躍しており、主題を明確にした知的な作品を数多く発表した。 落ちぶれ果てた姿で家に戻ってきた家出した父を描いた戯曲『父帰る』や、 実在の僧・禅海の史実を元に書き上げられた短編小説『恩讐の彼方に』、 中上流階級の家庭を舞台とした通俗小説で度々映画化やドラマ化されている『真珠夫人』などが代表作。
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北村透谷
近代浪漫主義運動の先駆者。島崎藤村らと共に「文学界」で活躍した人物。 詩人、小説家、評論化、思想家など様々な顔を持ち、幅広い活躍をした。 叙情的で芸術的な傾向をもつ作風で、大衆からの支持を得た。 日本近代詩の最初の作品である『楚囚の詩』、 この世の繁栄と破滅、霊の救済を描いた『蓬莱曲』、 近代的な恋愛観を表明した『厭世詩家と女性』などが代表作。 他にも『人生に相渉るとは何の謂ぞ』『内部生命論』などの著作がある。 1894年、芝公園で自殺。享年27歳。
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国木田独歩
近代性・思想性豊かな日本の作家。詩人、ジャーナリスト、編集者といった顔も併せ持つ。 『国民新聞』の記者として活躍したことでも知られている。作家としては、 近代日本文学において初めて主知的な短編スタイルを完成させ、志賀直哉、芥川龍之介など後世に大きな影響を与えた人物。 名随筆集『忘れえぬ人々』や自然描写の新境地を開拓した浪漫的短編集『武蔵野』、 現実社会の窮乏を直視した晩年の作品『竹の木戸』などが代表作。
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幸田露伴
尾崎紅葉と共に「紅露時代」を築き上げた明治時代を代表する作家。 儒教・仏教・道教に造詣が深く、東洋的精神主義や神秘主義のからまった浪漫的作品が多い。 写実的でありながらも幻怪な要素を取り入れたもので、その作風は理想主義的傾向をもつ「擬古典主義」と称される。 『露団々』『風流仏』で文壇の注目を浴びて以後、多くの作品を発表した。 技量は抜群だが、世渡り下手でいつも不遇な大工を主人公とした『五重塔』、 青年の恋愛を中心に描いた彼の最大の長編『天うつ浪』、 雄大な叙事詩調で描く文語体の歴史小説『運命』などが代表作。
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小林多喜二
日本のプロレタリア文学(社会主義、共産主義思想と結びついた文学)の代表的作家。 人間愛を貫いた抵抗の精神を持ち合わせた人物で、その作品は明快な文体や構想力によって書かれている。 そのため、現在でも多くの読者を抱えており、戦前の作家の中でもその人気は高い。 非合法の共産党に入党するなどの活動を行っていたため特高に逮捕され、同日拷問により虐殺されたことでも知られる。 3・15事件で検挙拷問された小樽の労働者の群像を描いた『一九二八年三月十五日』、 労働者たちのストライキを描いたものでプロレタリア文学の代表的作品『蟹工船』、 党員としての地下活動をリアルに描いた『党生活者』などが代表作。
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坂口安吾
戦中戦後、型破りな作風で人気を集めた作家。 純文学、歴史小説、推理小説、文芸エッセイなど幅広い活動を行った無頼派の代表的人物。 多くの作家に影響を与えたことで知られている。 とりわけ戦後の本質を鋭く把握洞察した彼の代表作『堕落論』『白痴』 の与えた衝撃は大きく、 これをきっかけに一気に人気作家の仲間入りを果たした。 そして以後、 黒田如水を軸にして戦国末期を描ききった『二流の人』、 怖い女と、そんな女に惚れてどんどん壊れていく男を描いた『桜の森の満開の下』など 多くの著作を生み出した。
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志賀直哉
小説の神様という異名を持ち多くの作家に影響を与えた作家。 道徳的かつ理想主義的な作風で、武者小路実篤、有島武郎らと共に白樺派を代表する作家として活躍した。 その活躍は、特筆に値するもので、彼の無駄のない文章は小説の文体のひとつの理想と見なされている。 自らを題材に採った告白小説・私小説を中心に様々な著作を発表した。 自らの療養先であった城崎を舞台にした『城の崎にて』、 父との17年ぶりの和解をきっかけに著した『和解』、 近代日本文学を代表する名作『暗夜行路』などが代表作。
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島崎藤村
明治・大正・昭和と三代に渡って近代文学に大きな足跡を残した文豪。 厳格で素朴、物怖じしない作風を特徴としており、多くの著作を残した人物。 初期は浪漫派詩人として、後に自然主義作家として活躍した。 明治時代の代表的浪漫詩集『若菜集』、 被差別部落出身の主人公の苦悩と告白をえがいた『破戒』、 日本自然主義文学の到達点とされる『家』、 幕末維新期の動乱を描いた歴史小説『夜明け前』などが代表作。
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高浜虚子
戦前日本を代表する俳人のひとり。その生涯に20万句を超える俳句を残した人物。 正岡子規の高弟として、日本俳壇に大きな影響を与えた。 俳句文芸誌「ホトトギス」を主宰し、客観写生や花鳥諷詠を主張、俳句の普及と後輩の育成に努めるなど多くの功績を残している。 子規死後は、俳句の創作を辞めていたが、碧梧桐の新傾向俳句に対抗するため俳壇に復帰。 「守旧派」として、伝統的な五七五調の価値を唱えた。 また写生文や小説にも長けており、『鶏頭』『俳諧師』『柿二つ』などの作品も扱った。
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谷崎潤一郎
多くの秀作を残した、日本を代表する文豪のひとり。 耽美主義(美の享受・形成に最高の価値を置く西欧の芸術思潮)的といわれる作風で、 いわゆる日本的な美、性や官能を含蓄のある魅力的な日本語で描いた。 全体的傾向として女性崇拝の雰囲気のある作品が多い。 処女作となった短編小説『刺青』 男が、次第に少女にとりつかれ、破滅するまでを描いた『痴人の愛』、 句読点や改行を大胆に省略した独自の文体を特徴とする短編小説『春琴抄』 六甲山系と海に囲まれた理想的な地形を有する阪神間の生活文化を描いた長編小説『細雪(ささめゆき)』などが代表作。
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田山花袋
自然主義派の代表的人物。人間の真実をを赤裸々に描く作風で多くの作品を発表し、大きな影響を与えた。 とりわけ自らの女性関係を露骨に告白した私小説的伝統の出発点とされる作品『蒲団』の与えた影響は大きく、 これは名作中の名作となっている。 他にも、 近代日本興隆期に貧しさ故に孤独と絶望のうちに死んでいった青年を描いた『田舎教師』、 読売新聞に連載した小説『生』、花袋文学の集大成ともいうべき作品『百夜』など 多くの著書を書き上げた。
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太宰治
昭和を代表する作家。坂口安吾、石川淳などと共に新戯作派、無頼派の一人として数えられた人物。 真に迫った作風の深刻な作品やユーモアの溢れる作品など様々な作風で多くの作品を残した。 5回の自殺未遂を起こし、最後は38歳の若さで玉川上水に入水自殺をしたことでも知られる。 小説形式の解体を目指した実験的作品の『ダス・ゲマイネ』、 何度も映像化されている短編小説『走れメロス』、 8つの短編からなる短編集『ヴィヨンの妻』、 没落していく人々を描いたヒット作『斜陽』、 戦後の売り上げが新潮文庫だけでも累計600万部を突破している名作『人間失格』などが代表作。
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檀一雄
坂口安吾、太宰治らとともに無頼派と呼ばれる作風で知られる人物。 無頼派とは、戦後の虚脱、昏迷の状況のなかで、既成の文学観や方法が無効であると認識しそれに反逆した作家の総称。 私小説や歴史小説、料理本などを手掛けた。作詞家としての顔も併せ持っておりその活躍は幅広い。 先妻律子を描いた連作『リツ子 その愛』『リツ子 その死』が代表作。 他にも直木賞を受賞した『長恨歌』『真説石川五右衛門』、 映画化もされている哀しいまでに孤独な作者自身を描いた作品『火宅の人』など多くの書籍が高い評判を得ている。
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坪内逍遥
明治時代に活躍した日本の作家。 評論家、翻訳家、劇作家、教育家としての顔も併せ持っており、その活躍は幅広い。 森鴎外と文学観および研究の方法をめぐって争った「没理想論争」を行ったことでも知られている。 叙述、分析、描写、説明を自在に用いて書かれた作品は、高い評価を受けている。 日本最初の近代的文学論で、心理主義的写実主義の原理と作法を体系的に説いた『小説真髄』と その実践となる小説『当世書生気質』が彼の代表作。 また、『桐一葉』などの戯曲の執筆やシェイクスピア全集の翻訳なども行っており、 演劇の近代化にも大きな役割を果たした。
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中島敦
文壇での活躍はわずか8ヶ月間だったものの、大きな功績をの残している人物。 中国古典文学に親しむとともに、西洋の文学・哲学の影響をも受け、人間存在の不条理を追究する作品を好んだ。 古典的教養を背景とした格調をもった文体で書かれた作品で知られる。 現在、高等学校の現代文の教科書の人気教材となっている『山月記』、 芥川賞の候補にも挙げられた長編小説『光と風と夢』、 無駄のない軽妙洒脱な文章で、藝術の核心に迫る主題を展開し尽くした作品『名人伝』、 孔子の弟子である子路の物語『弟子』、 中国前漢代の軍人を題材にした遺作『李陵』などが代表作。
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中原中也
昭和初期に活躍した詩人。 その短い30年の人生をひたすら詩作に捧げた事から「夭折の詩人」と呼ばれる人物。 平易な用語と天成のリズム感によって、倦怠感や喪失感、そして生への悲しみを叙情的に表現した。 その評価は、死後、日増しに高まり、多くの全集や伝記本が発表された。 生前に出版された処女作の『山羊の歌』、 死の直前に編集し、没後出版された『在りし日の歌』が代表作。
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永井荷風
明治から昭和にかけて活躍し、根強い人気を誇っている作家。 耽美的な作風で知られ、味わいのある作品を多く著した。 慶応大学教授として「三田文学」を創刊した人物としても知られる。 留学からの帰国後に書かれた『あめりか物語』『ふらんす物語』、 官能的にしてどろどろとした男女の模様を描いた『腕くらべ』、 2度にわたって映画化もされている『濹東綺譚(ぼくとうきだん)』、 近代日記文学の最高傑作と言われる本人の日記『断腸亭日乗』など が代表作。
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夏目漱石
明治・大正時代の文豪。過去には日本銀行券に肖像が採用されたほどで、 日本では絶大な名声を獲得した人物。 小説家として、評論家として、英文学者として幅広く活躍した。 その作風や作品は、前期・中期・後期の三時代に分けて捉えられる。 前期は、『吾輩は猫である』、『坊ちゃん』、『草枕』など、 現実的傾向とロマン的傾向の二傾向が表裏をなす作品を描いた。 そして中期は、『三四郎』、『それから』、『門』など、 恋愛を主要テーマとし、ヨーロッパの個人主義思想を踏まえた高次の倫理観と人生観を追究した作品を執筆し、 後期は『彼岸過迄』、『行人』、『こころ』など、著しく内面的傾向を深めた作品を描いた。 このうち多くの作品が映像化もされており、どれも名作である。
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新美南吉
『赤い鳥』出身の児童文学作家。 29歳という若さで亡くなってしまったため、その作品数は少ないが、 童話、童謡、詩、短歌、俳句、戯曲などの作品を残している。 主観的・情緒的な視線で自分の周囲の生活の中から拾い上げた素朴なエピソードを 脚色したり膨らませたりした味わい深い作風。 童話作家の宮沢賢治との比較で語られることも多く、「北の賢治、南の南吉」と呼ばれた。 小学校国語教科書の教材の定番ともいえる『ごん狐』や、 手袋を買いに人間の町に行く子狐の物語『手袋を買いに』、 子供が見つけたランプにまつわる話をおじいさんが語って聞かせる構成の『おぢいさんのランプ』 などが代表作。
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萩原朔太郎
大正・昭和期に活躍した詩人。 「セカチュー」の名で大ブームとなった『世界の中心で、愛をさけぶ』の主人公の名前の由来として、 近年知名度を高めたことでも知られる。 病的で特異な感覚表現を持った作風で、多くの作品を残した。 真に近代的な口語自由詩を確立したと評される詩集『月に吠える』、 家庭の崩壊と言い知れぬ絶望のさなかで、漢語を駆使して書かれた文語詩集『氷島』が代表作。 他にも『青猫』『純情小曲集』『詩の原理』などの著作がある。
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二葉亭四迷
言文一致体を最初に用い、日本の近代小説の先駆となった作家。 小説家として、翻訳家として活躍し、当時の若い世代にも大きな影響を与えた人物。 坪内逍遥との交流が深く、その影響を受け著した小説の原理を考察した評論『小説総論』と その理論のもとに描かれた言文一致体の写実主義小説『浮雲』が、彼の代表作。 他にツルゲーネフの『あひゞき』『めぐりあひ』の翻訳や『其面影』『平凡』などの著作も残している。
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舟橋聖一
様々な作風で活躍した日本の作家。戦前は戯曲を、戦後は風俗小説や歴史小説を中心に執筆した人物。 日本文芸家協会理事長、日本芸術院会員、横綱審議委員長など様々な肩書きを併せ持つ。 行動主義を提唱した『ダイヴィング』や、芸術的良心を守った昭和文学史上の金字塔と評される名作『悉皆屋康吉』、 井伊直弼の波乱の生涯を描いた最初のNHK大河ドラマの原作『花の生涯』、 全8巻で元禄赤穂事件までのエピソードが描かれた『新・忠臣蔵』などが代表作。
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堀辰雄
昭和初期に活躍した日本の作家。 透徹した知性と清新な抒情あふれる作品を多く発表した人物。 戦時下の不安な時代に、時流に安易に迎合しない作風は、後進の世代から多くの支持を得た。 立原道造・中村真一郎・福永武彦などは彼の門下のような存在として知られる。 私淑していた芥川の死に対するショックから生と死と愛をテーマにした『聖家族』、 若い小説家の見聞と、彼が出会った少女の面影を、音楽的に構成した傑作『美しい村』、 婚約者の病気療養のため富士見高原療養所にともに滞在した体験を元に描いた『風立ちぬ』、 既婚女性の家庭の中での自立を描く『菜穂子』などが代表作。
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正岡子規
明治時代を代表する文学者のひとり。 俳句・短歌・新体詩・小説・評論・随筆など多方面に渡り創作活動を行い、日本の近代文学に多大な影響を及ぼした人物。 とりわけ「柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺」などを筆頭とする俳句や、「くれなゐの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やはらかに 春雨のふる」などを代表とする短歌の分野での活躍は顕著。 芭蕉と古今和歌集を否定し、蕪村と万葉集を肯定するといった大胆な文学観を提示し、俳句、短歌ともに大きな革新を起こした。 「写生」という手法を提唱し、目の前にあるものを絵に描くように、ありのままに詠んだことでも知られる。 一見平凡にみえる作品だが、淡々としたなかに味わいがあると評判。 俳句論『獺祭書屋俳話』、歌論『歌よみに与ふる書』、 死の2日前まで新聞に連載した文章を集めた随筆集『病牀六尺』などが代表作。
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宮沢賢治
日本の国民的作家のひとり。詩人、児童文学者。 生前にはほとんど評価されなかったが、草野心平らの尽力により、死後になって全集が刊行され、評価を高めた。 天文、地質、化学などの豊穣な語彙や、死をめぐる苦悶と鎮魂が渾然となった特異な作品世界を展開し、空前・独特の魅力にあふれた作品を残した。 詩集『春と修羅』や「雨ニモマケズ」の詩も有名だが、児童文学での活躍が顕著。 度々映像化もされている『注文の多い料理店』『セロ弾きのゴーシュ』や 不思議な少年とその周囲を描いた『風の又三郎』、 孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語『銀河鉄道の夜』などが代表作。
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武者小路実篤
志賀直哉と共に『白樺』を創刊した作家。 芥川には「文壇の天窓を開け放った」と称された人物。 白樺派の思想的な中心で、後世に大きな影響を与えた。 理想的な調和社会・階級闘争の無い世界の実現を目指して「新しき村」を 建設したことでも知られる。 平明にして躍動的な文体を特徴としており、多くの作品を残した。 熱烈で一方的な片恋を描いた『お目出たき人』、 青春時代における友情と恋愛の相克をきめこまかく描いた『友情』、 多くの読者の涙を誘った美しい悲劇『愛と死』、 人生の美しさ、人間の善意を大胆に表明した作品『真理先生』などが代表作。
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森鴎外
明治・大正期に活躍した作家。 小説、評論、翻訳、戯曲など幅広い活動を行った人物。 東大医学部卒で、陸軍軍医総監にまで昇りつめ、公職をこなすかたわら作品を発表し続けた。 客観的でどこか達観したような冷静さを持った作風が特徴。 新しくかつ該博な海外思潮・文芸の知識で、同時代を啓蒙しつづけた。 ドイツへ医学を学ぶために留学した時の体験を下敷きにして執筆された『舞姫』、 主人公の性的体験について哲学的視点から考える『ヰタ・セクスアリス』、 複数回に渡って映像化もなされている『雁』『山椒大夫』、 乃木希典陸軍大将の殉死に刺激されて書かれた小説『阿部一族』、 江戸時代の随筆集「翁草」の中の「流人の話」をもとにして書かれた『高瀬舟』 江戸時代末期の医師である渋江抽斎の史伝『渋江抽斎』などが代表作。
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吉行淳之介
NHK連続テレビ小説「あぐり」のモデルとなった母を持つ日本の作家。 性を主題に精神と肉体の関係を探り、人間性の深淵にせまる私小説風の作品が多い。 また都会的に洗練されたエッセイの名手としても知られている。 芥川賞を受賞した『驟雨』以後、作家生活に入り、以後多くの作品を世に送り出した。 とりわけ性全体の様態を豊かに描いて、現代人の孤独感と、生命の充実感をさぐった『砂の上の植物群』 の評価は高く、これは彼の代表作となっている。
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若山牧水
旅を愛し、旅にあって各所で歌を詠んだことから、日本各地に歌碑がある日本の歌人。 情熱的な恋をしたことでも知られる人物。 初期は、人妻との恋愛体験を軸に、青春の憧憬と不安を浪漫的にうたい、 中期は、父の死による帰郷、経済的な行き詰まりを背景に、内面の暗部を重苦しくうたい、 後期は、旅、酒、自然の歌に焦燥感、寂寥感から徐々に清澄、円熟を加えていった。 『別離』、『路上』、『みなかみ』、『山桜の歌』などの歌集が代表作。




